神奈川県行政書士会緑支部

解説-一般貨物自動車運送事業

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運送業許可の概要

一般貨物自動車運送事業者イメージ

ここで言う運送業とは「貨物自動車運送事業」のことを差します。

「運送業」とはなんぞや、というのは貨物自動車運送事業法第2条で規定されています。どういうことかというと、

依頼を受けてお金をもらってモノを運ぶ仕事

をいいます。
(人を運ぶのは旅客自動車運送事業という別の許可になります)
(さらに言うと霊柩車もこの貨物自動車運送事業になります。ご遺体は法律的にはモノになってしまうのです。さびしいものですが・・・)

運送事業は仕事の金額がいくら以上などという建設業のような区分はなく、お金をいただいてモノを運ぶのであれば原則どんな業種でも許可が必要になります。

日本の物流はトンキロベースだとほとんどが陸上トラック輸送が占めています。

貨物自動車運送事業者様は日本の物流で大変大きな役割を担っているわけです。

これらの方々がいなければコンビニやスーパーで好きなものを好きな時に買えるなどという時代はありえません。

また、1トンくらいから大きいものだと何十トンという鉄のカタマリが公道を走ります。

そのような重要性と危険性がともなう事業なので国の許可が必要になるわけです。

許可の有効期間

貨物自動車運送事業許可には有効期間はありません。
ただし、毎年事業実績報告書と事業報告書というものを提出しなければなりません。

許可を受けるにはどうすればいいの?

そうです。

ここが一番知りたいところですよね。

細かいところは個別にご相談となりますが、共通して必要な要件を下記に挙げることにします。

(1)場所と車両

・営業所、休憩・睡眠施設
 都市計画法や建築基準法に抵触しない営業所が必要です。

・車庫
 農地法等に抵触しない車庫が必要です。

 どのくらいの面積が必要かと言うと、

 車両の前後左右に50cmずつ余裕を持って全車両が格納できる必要があります。

・車両
 貨物自動車が5台以上必要です。
 
 トラクタとトレーラは1セットで1台扱いです。

 霊柩車や一般廃棄物処理業などでは1台でもできるという特例があります。

(2)人

・運行管理者
・整備管理者

という人が必要です。

運行管理者は国家資格なので試験に受かればよいです。

または5年の実務経験によって運行管理者資格者証を取得するという方法もあります。

整備管理者は

・整備管理者選任前研修を受講する プラス 2年以上の実務経験
・整備士の国家資格

のいずれかで大丈夫です。

(3)財産的要件(下記のいずれか)

家賃、車両代、人件費等さまざまな経費を資金計画として算定し、その100%を預金残高証明が達している必要があります。
(平成25年12月から必要資金算出方法が変更になっています)
残高証明を取得・提示するタイミングは申請時と許可が下りる間近の2回です。
※預金が必要資金に足りない場合は、流動資産合計にて審査してくれるようですが実際、貸借対照表のどの項目を入れ込んでくれるのかはそのとき次第かもしれません。

他にもいろいろな要件がありますがまずは上記の3つ。

許可がおりるまでの期間

申請してから大体3カ月~4カ月で許可がおります。

ただし、案件によって多少の変動はあります。

許可がおりてから行うこと

運送事業の許可の流れで他の許可ともっとも大きく異なるところは、

「許可が下りてもすぐには事業を始められない」

ということろです。

事業用自動車等連絡書を発行し、車検証の書換え及びナンバープレートの取り換えをしなければなりません。

このように自社の緑ナンバーを付けることでやっと運賃をもらって仕事をすることができるようになるのです。

必要なお金

許可時には国土交通省に12万円を納付する必要があります。

よくある質問

神奈川県行政書士会緑支部はなんといっても一般貨物自動車運送事業を管理する役所である神奈川運輸支局がある地域です。
それだけに一般貨物自動車運送事業の専門家も他の地域に比べると多く所属する支部だと思います。
そんな緑支部で蓄積されたよくある質問を随時増やしていきます。

Q:5台必要だけど軽自動車やバイクでもいいの?
A:軽自動車やバイクでは一般貨物自動車運送事業の許可要件の車両に数えることはできません。
基本的には1,4,8ナンバーで車検証に積載量が記載してある車両が5台のうちにカウントすることができます。
(8ナンバーというのは特種車両のナンバーです。冷蔵車などがよくある車両ですね)
5ナンバーの車でも、後部を改造して4ナンバーに変更するようなことをすれば利用することは可能です。

Q:運行管理者試験はいつ実施されるの?
A:現在は基本的には毎年3月と8月に実施されています。
実施機関は公益財団法人運行管理者試験センターというところになります。
貨物と旅客の2種類があるので必ず間違えないようにしてください。
一般貨物自動車運送事業の場合は貨物を合格しなければなりません。
テキストもちょっと大きい本屋さんに行けば売っています。
ちゃんと勉強しなければ合格するのは困難な試験です。
ぜひしっかり勉強して一発で合格してください!
また、受験には実務経験が必要ですが、NASVAの基礎講習を受ければ受験資格を得ることができます。
>>>独立行政法人自動車事故対策機構

Q:一般貨物自動車運送事業の許可は会社じゃなくて個人じゃとれないの?
A:そんなことはありません。
個人事業主でも要件さえ揃えれば許可をとることはできます。
ただ、そのあとの信用の問題や、継続性を考えると事業としてはやはり法人で許可を取得する場合が多いかとは思われます。

Q:車両が5台なくても許可がとれる場合があると聞いたんけど
A:霊柩車の場合と、一般廃棄物処理業の場合は1台からでも一般貨物自動車運送事業の許可をとることができます。
(産業廃棄物処理業ではなく一般廃棄物処理業です)
霊柩車は葬儀事業を行っている会社さんが、今までは外注先に依頼していたのが、ニーズが多くなって自社でとるケースが多いですね。
一般廃棄物処理業は組合などに個人事業主として加盟している場合が多いと思います。
5台未満なので運行管理者及び整備管理者を選任する必要もありません。
あくまでそのような事業の範囲内での特例なので、普通に一般貨物を運搬するというような場合は5台にし、運行管理者・整備管理者を選任し、その制限を外すような申請をしなければなりません。

Q:今、第一種貨物利用運送事業をもっているけど、一般貨物自動車運送事業の許可をとるとそれはどうなるの?
A:平成15年に貨物利用運送事業法という法律ができて(改正され)、それまでの取扱事業というものがなくなりました。
それにともない、第一種貨物利用運送事業を持っている事業者が一般貨物自動車運送事業の許可をとると、第一種貨物利用運送事業がなくなってしまい、一般貨物自動車運送事業の許可に合体させられるようになってしまいました。
とはいえ、特段支障はないのですが、一点注意が必要です。
一般貨物自動車運送事業の許可に含まれる利用運送では、実運送(トラックを持って運送事業を行っている会社)を外注先に使うことはできますが、第一種貨物利用運送事業だけを持っている会社を外注先に使うことはできません。
するとどうすればいいかというと、一般貨物自動車運送事業の許可申請時に第一種貨物利用運送事業を外注先として利用するという申請にすれば、もともとの第一種貨物利用運送事業も消えずに併存することができます。
少し注意が必要ですね。

Q:今、軽貨物の黒ナンバーで仕事をしているけど一般貨物自動車運送事業の許可をとろうとしている。なにかかかわることはあるの?
A:軽貨物もモノを運んでお金をもらうという点では同じですが、一般貨物自動車運送事業の許可をとるとやらなければならないことがたくさん増えて、多くの事業者様は驚きます。
まず、運転者さんはすべて運転者台帳を作成しなければなりません。
また、雇い入れたときにNASVAで適性診断を受けなければなりませんし、特別な指導(6時間)を実施しなければなりません。
65歳以上の場合も適性診断と特別な指導を実施しなければなりません。
また、毎年、走行距離・輸送量、決算内容を国土交通省(神奈川運輸支局)に報告しなければなりません。
運行管理者、整備管理者は定期的に講習を受けなければなりません。
仕事をしたら日報を必ず記載しなければなりませんし、運行前・運行後に必ず対面で点呼をしなければなりません。
他にもいろいろとありますが、特に毎日のこととなる日報と点呼の作業は運転者さんの協力も重要となります。
申請から許可まで約3~4カ月かかります。
その間にいろいろなことを準備する必要があるということですね。

Q:自宅を事務所にしたいけど大丈夫?
A:ちゃんとした事務所があるに越したことはありませんが、自宅事務所でも問題はありません。
要するに都市計画法や建築基準法、農地法等の各法令に違反していないことが重要になるわけです。
詳しくは個別案件で異なりますので、市役所または専門の行政書士のお問い合わせください。

Q:有蓋車庫が必要だときいたけど?
A:昔は車両を整備する施設ということで有蓋(屋根のある)車庫が必要でしたが、今は規制緩和で不要となっています。
今は都市計画法や建築基準法、農地法等の各法令に違反していないことが重要になるわけです。
逆に有蓋車庫でもいいですが、ちゃんと車庫として建築基準法等に違反していないものを選ぶようにする必要があります。
詳しくは個別案件で異なりますので、市役所または専門の行政書士のお問い合わせください。

Q:車庫は月極めの1台貸しのところでも大丈夫?
A:別に1台貸しのところだとダメということはありません。
しかし、前後左右に車両寸法より50cmずつ(合計1m)の余裕がないといけないので、170cmの4ナンバートラックでも幅が270cm必要ということになると、普通の月極め駐車場では難しいことがあります。
2台を並べて1台を置くという形態で借りることはまったく問題ありません。

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