top of page

令和8年9月28日 暴力団等排除対策本部会議出席報告

10月5日
読了時間: 5分


― 不当要求への対応と、犯罪収益移転防止法について ―


令和8年9月28日(月)、神奈川県行政書士会大会議室において「令和8年度 神奈川県行政書士会暴力団等排除対策本部会議」が開催され、緑支部から手塚幹事出席しました。


当日は、神奈川県警察本部の担当者から、県内の暴力団等の情勢、不当要求への対応、犯罪収益移転防止法に基づく取組などについて講話が行われ、その後、各支部による本部会議が開催されました。    

今回の内容は、行政書士事務所の日常業務にも直接関係するものが多くありましたので、特に会員の皆さまに共有しておきたいポイントをご報告します。


「見た目では分からない」ことを前提に

講話では、現在の暴力団や匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」などをめぐる情勢について説明がありました。

特に印象に残ったのは、従来のように外見などから暴力団関係者かどうかを判断することは難しくなっているという点です。また、行政書士は会社設立、許認可、契約書作成など幅広い手続に関与できるため、犯罪や不適切な事業に利用されないよう注意する必要があるとの指摘もありました。    


「紹介だから大丈夫」「普通の事業者に見えるから大丈夫」と安易に判断せず、依頼内容や依頼者の本人確認、事業の実態などを確認することが重要です。


不当要求には「その場で決めない」

不当要求等への対応についても、実務的な説明がありました。


基本となるのは、相手から要求を受けても、その場で即答しないことです。特に、その場で署名・押印をしない、すぐにトップや決定権のある者を対応させないといった対応が重要とのことでした。

また、事務所での面談の場合には、状況によっては不退去罪などによる対応も考えられること、金銭要求や危害をほのめかす行為については恐喝罪・脅迫罪等に該当する可能性があることなどについても説明がありました。困った場合には一人で抱え込まず、警察へ相談することが重要です。    

行政書士事務所としても、あらかじめ「不当な要求には応じない」という基本姿勢と、実際に問題が発生した際の対応方法を決めておく必要があると感じました。


業務委託契約書にも「反社会的勢力排除条項」を

会議では、行政書士の実際の事例も紹介されました。

ある案件では、業務委託契約書に反社会的勢力排除条項を入れることを提案したところ、相手方がこれを拒否したため、業務を断ったという事例が報告されました。

反社会的勢力排除条項は、問題が発生してから対応するためだけのものではなく、不適切な相手との関係を入口の段階で遮断する「防波堤」として機能します。

会議でも、業務の種類を問わず、業務委託契約書などには反社会的勢力排除条項を設けておくことの重要性が指摘されました。    


行政書士も犯罪収益移転防止法の「特定事業者」です

もう一つ、今回ぜひ会員の皆さまに確認していただきたいのが、犯罪収益移転防止法への対応です。

行政書士・行政書士法人は、同法上の「特定事業者」に含まれています。配布された資料でも、行政書士を含む職業専門家について、対象となる取引では取引時確認などの義務が課されることが示されています。    


講話では、例えば法人設立などに関連して、依頼者が事業内容や口座開設の目的について十分に説明できず、外部の人物から指示を受けているようなケースなども紹介されました。

特に重要なのは、「紹介案件だから本人確認を省略してよい」ということにはならないという点です。

依頼者本人はもちろん、取引の目的や事業実態などについて疑問を感じた場合には、漫然と手続を進めない姿勢が必要です。日行連の会員ページには、犯罪収益移転防止法に関するハンドブックも掲載されているとの案内がありました。 


「疑わしい取引の届出」という制度

犯罪収益移転防止法には、「疑わしい取引の届出」の制度があります。

配布資料では、特定事業者による取引時確認等を通じて得られた情報のうち、疑わしい取引について所管行政庁へ届け出、その情報が警察庁のJAFICを経て、都道府県警察、検察・麻取・海保・税関などの捜査機関や海外FIUへ提供される仕組みが紹介されていました。


日常業務の中で「何となく不自然だ」と感じる場面があった場合、その違和感を軽視しないことも、犯罪への加担を防ぐうえで重要です。


支部としても情報共有を進めます

今回の会議では、地域の暴力団等排除協議会への参加や、不当要求防止責任者講習の受講などについても情報共有がありました。事前アンケートでは、地域の暴力団等排除協議会に参加している支部が15支部ある一方、不当要求防止責任者講習については「受講していない」と回答した支部が12支部ありました。    


また、神奈川県行政書士会では、10月1日からカスタマーハラスメント対策に関するマニュアル等をホームページに掲載する予定であることや、支部ホームページでの対応についても検討していくことが報告されました。    


行政書士は、依頼者からさまざまな事情を聞き、会社設立や許認可、契約など幅広い手続に関与する職業です。それだけに、知らないうちに犯罪や反社会的勢力の活動に利用されるリスクについても意識しておかなければなりません。


緑支部としても、今回の会議で得られた情報を会員の皆さまと共有するとともに、必要に応じて警察等の関係機関とも連携しながら、安心して業務を行える環境づくりにつなげていきたいと思います。



 
 
bottom of page